広島の加計町で秋に行われるお祭り
広島の北部に位置する加計町では、毎年秋に「五サー市」というお祭りが開催されます。加計町のメインストリートでもある商店街には出店が並び、町中が賑わいに包まれます。
商店街は通行止めとなり人があふれるくらい!
もともと、暮れの旧25日に開かれていた市で、広島市を中心に多くの商人が集まって開かれたものだといいますが、それを近年になり復活させたイベントでもあります。
普段は見ることができない庭園「吉水園」の一般公開が行われる
そして五サー市のメインイベントの一つが「吉水園」の一般公開です。吉水園は広島県でも有数の紅葉の名所。
五サー市と秋の吉水園一般公開 | 令和4年度:11月13日(日)小規模開催 2022 吉水園 秋の一般公開は、11/13(日)の1日のみになります。 |
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吉水園とは、江戸時代の中ごろに造られた庭園で、回遊式の庭園の中にかやぶきのあずまや「吉水亭」が静かに佇み、そこから眺める庭園の紅葉は一幅の絵のような美しさがあります。
吉水園の入り口付近にあった真っ赤に染まるカエデ!
入口で入園料とパンフレットをいただいてさっそく吉水園を散策してみます。
吉水園
住所 | 広島県山県郡安芸太田町加計神田3410 |
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入園料 | 200円 |
このかやぶきの建物が「吉水亭」です。この吉水亭、庭園がよく見渡せる絶妙な位置に立てられているほか、面白い構造をしているんです・・・
写真向かって右手に「手すり」がありますよね?ここは2畳間の展望台になっているんです。
一般公開のタイミングは年に2回しかないので、大変混みあっていることがほとんどなんですが、ぜひこの展望ルームから庭園を見渡してみてください。
カエデの奥に見える手すり部分が中2階です。
中2階からの眺望、庭園全景です。池と植栽された木々との調和が素晴らしい!
中2階から庭園右手。こちら側は陽が当たっており、赤やオレンジ色に染まったカエデが鮮やかに色づいていました。
吉水園と言えばこの庭園の池。ここはモリアオガエルの生息地としても有名です。
6月にも吉水園は一般公開され、この梅雨時期には、木の枝に泡で包まれた卵が観察できます。
これは「延命の小袋」と名付けられた縁起ものです。
梅雨時期には池周辺の低木にモリアオガエルを見ることができます。
今回は秋真っただ中!庭園の池に映し出された紅葉がまるで琥珀色のように反射されており、とてもきれいでした。
こちらは庭園の裏側・・
ひっそりと置かれたつくばい
吉水亭の正面の入り口
建物の内部もしっかり管理、維持されていますね。
額には吉水園の古絵図が掲げられています。「江戸時代半ば天明元年(1781)に描かれたものである」とあります。
こちらは「奉納された和銑」鉄鉱石から取り出した鉄の原材料です。
実はこの吉水園は鉄山開発で一財を築いた「佐々木八右衛門」という人物が1781年に作らせたもの。
広島県北から島根県境にかけての地域は、今となっては製鉄とはどうやっても結びつかないなのですが、江戸時代はたたら製鉄が盛んだったといいます。
香炉?
やかん
水指?
小鉄瓶?
吉水亭に飾られていた題字、左側に書家の名前が記されていて調べてみたけど不明・・
庭園から見る吉水亭、赤く染まるカエデと
加計町内を見渡せる「ほそ道亭」と百句苑
吉水園の入り口から少し坂を上ったところに「百句苑」という加計にゆかりのある百人一句碑や芭蕉句碑があります。
「五月雨の降り残してや光堂」
こちらが加計俳人百人一句碑
百句苑にある「ほそ道亭」という建物。俳句には興味なくてもここにはぜひ立ち寄ってみてください。
ほそ道亭からの眺めは、加計町内が一望できる素晴らしい眺望スポットです。
懐かしの蔵で古きよきものと触れ合う
そして古い学校の校舎を再利用して作られた「懐かしの蔵」
吉水園からすぐそばなのでここもついでに寄ってみましょう。
ただ古いだけではありません、これは木炭で走る「木炭自動車」
ミゼットちゃん。一日タイムスリップしてこの車でドライブしてみたい。
さまざまな古いものと出会えます。
Radio!もちろん真空管式。
センプーキ。Hitachi。
ミッシーン!
おくすりたち。きくや製薬所のキクノース。
あきんど
ダイヤルをおもいきり逆にまわしてもヘタることのなかった耐久性。
大先輩
クロメガネ
外では発動機が一斉に活動中。
よく回る
ということで、五サー市と吉水園を満喫してきたのですが、同じ加計町内には「深山峡」という峡谷もあり、こちらも自然の中の紅葉と豪快な滝を楽しめるスポットです。
深山峡の様子はこちらで記事にしていますので、ぜひご覧になってみてください。
ではよい紅葉狩りを!